コスプレ写真は1つではない?
コスプレをした姿を撮影したコスプレ写真、実は一種類だけではありません。
人物写真の中で、コンセプト写真に属するのがコスプレ写真です。
コスプレ写真の種別と特性をあらかじめ覚えておき、上手く活用することで人気・知名度を獲得して行きましょう!
コスプレ写真の種類・分類・ジャンル
- セルフ・ポートレート(自撮り)
- ポートレート
- スナップ
- プロフィール/オーディション/コンポジット/ブック(宣材)
- ファッション
- リプロダクション(再現)
- グラビア(ピンナップ)
- オフショット
- イベント/ロケーション(ロケ)
コスプレ写真は、コンセプト写真の一種です。
大前提として、コスプレ姿で撮影する写真がコスプレ写真である、とご理解ください。
セルフ・ポートレート(自撮り)
ほぼ全てのコスプレイヤーさんが撮影しているであろう写真がこのセルフ・ポートレート、いわゆる、自撮りです。
初心者レイヤーの方は勿論、宅コスやイベント参加時、記念として、あるいはTwitterやInstagramほかSNSに投稿する為、撮影します。
自撮り本格的な撮影を伴わず、スマホ1つで簡単に撮影できることからコス写真においても重宝します。
一般的には、自分が一番自身のある/盛れる角度から撮影できるので、特別な加工や修正が不要という有効性があります。
閲覧者目線で自撮り写真を見た場合、主観に近しい視線からの見栄えとなる為、親近感のもてるコス写真になります。
イベントや撮影会など、撮影期間に間が空いてしまった場合、コス写投稿頻度が少なくなってしまうのを避ける為に活用できます。
ポートレート
コスプレイヤーとしてコスプレ活動における醍醐味がこのポートレート(ポトレ)です。
第三者(カメラマン)に“撮ってもらうコス写真”であり、主にレイヤー本人が思い出として楽しむ為の記念写真を指します。
レイヤー本人のコス活動における記録の一つですから、ポートレート写真は完全にレイヤー本人が満足するものであればよく、撮影者は被写体となるレイヤーの要望を聞いて写真撮影を行います。
私服ポートレートによく見られる素人モデルと素人カメラマン、セミプロモデルとセミプロカメラマンによるポートレート写真とは全く意味が異なります。これは互いの思い出・宣材なので後述するファッションを参照してください。
多くのレイヤーさんが、このポートレート写真を用いてアピールするのですが、根本的に間違えております。
ポトレはその特性上、レイヤー本人が楽しむ・満足するための写真です。
記念写真ですから自分自身が楽しむ以上の効果を期待するものではなく、あくまでもセルフ・ポートレート(自撮り)の延長線上にあるもの、と考えておきましょう。
スナップ
コスプレ写真においてスナップ写真に該当するのは、コス活動の一環としてイベントやライブなどに参加した時にだけ発生する、比較的珍しい部類の写真です。
イベントやライブ参加時、第三者に撮影されることが容易に想像される環境において“撮られる写真”であり、レイヤー本人が撮影者を認識しておらず、被写体であると意識せずに撮影されたものがスナップ写真です。
主に、撮影者(カメラマン)本人が思い出として楽しむ記録写真、あるいは創作物としての写真作品です。
被写体であるレイヤー本人が撮影されている事を認識していないのであれば、それは“盗撮”なのでは?と疑問に思う方もいらっしゃるとは思いますが、コスプレエリア(撮影エリア)敷地内におけるスナップ撮影であれば、盗撮には該当しません。
盗撮は各自治体の迷惑行為防止条例に定められております。
有名・人気レイヤーの中には、これらスナップ写真が拡散・評価され、知名度を上げた方も多く存在しております。
スナップ写真はレイヤー本人の手元には届くことは稀ですし、そもそも既に公開されている可能性が高い為、加工や修正を施すこともできません。
しかし、スナップは狙って起こそうとしても届かない奇跡の一枚とも呼べる、驚異的に魅力的な写真を生むことがあります。
プロフィール/オーディション/コンポジット/ブック(宣材)
多くのレイヤーにとっては不要なコス写真、これがプロフやコンポジット(コンポジ)です。
撮影者(カメラマン)に“撮ってもらうコス写真”であり、主に第三者(閲覧者)にアピールする為の記録写真を指します。
閲覧者が選定者の場合、宣材写真となります。
全身とバストショットが基本となり、プロフは汎用的、オーディションは目的別になります。コンポジは上記にイメージショットが加わり、ブック(ポートフォリオ)は様々なバリエーションによるコス活動における経歴写真となります。
第三者に見てもらう為に撮られたコス写真ですが、どちらかというと玄人向けの写真となりますので、妙な加工や修正は厳禁となります。
この場合、プロのカメラマンに被写体の魅力を引き出す為の工夫は一任しましょう。
これらプロフやコンポジは通常、カメラマンに撮影代を支払って撮ってもらう写真です。
宣材写真の場合、レイヤーは撮影者に謝礼を支払う側である事を覚えておきましょう。
ファッション
ポートレートがレイヤーのコス活動における醍醐味であるとすれば、ファッションはコス活動におけるレイヤーとして一つの集大成と言えます。
第三者(カメラマン)に“撮らせるコス写真”であり、主にカメラマンが思い出として楽しむ為の記録写真、または創作物としての写真作品です。
プロカメラマンによる写真作品の場合、商業写真の一種となり、スポンサーがいる場合、広告写真の一種となります。
ファッション撮影はプロフやコンポジとは逆に、カメラマン、あるいはスポンサーがレイヤーにモデル代を支払って撮影します。
レイヤーは謝礼を受け取る側なので、出来上がった写真の権利は全て撮影者にあり、例え被写体本人であるレイヤー自身であってもファッション写真を使用することはできません。
ファッション撮影の場合、コスプレ衣装は総じて撮影衣装として扱われ、コスプレを楽しむものではありません。
場合によってはヘアメイクやスタイリスト、ディレクターほか複数人が撮影現場に関わります。従って、レイヤーの要望は存在せず、提案のみに限定されます。
商業や広告としての写真作品の場合、コンポジやブック同様、第三者に見せる目的の写真となりますが、より不特定多数への公開となり、主役は被写体ではなく、衣装や小物、場所、雰囲気がメインとなることを理解しておきましょう。
リプロダクション(再現)
再現写真はコスプレ特有の写真作品で、記念にも記録にも宣材にもなり得るイメージショットです。
一般には、コンセプト写真の一種になりますが、コス写真そのものがコンセプト写真に区分されますから、敢えて別物として分けておきます。
コスプレの元となる原作のワンシーンや雰囲気を踏襲し、原作を再現することをテーマとしたイメージショットです。
基本的にキャラコスの場合、漫画やアニメ、小説、ゲーム、映画といった各々の世界観がある為、再現写真の全ては修正・加工ありきとなります。
有名・人気レイヤー、特に海外を中心とした海外レイヤーの多くは、これら再現写真が拡散・評価され、知名度を上げています。
欧米では画像共有サイトが根強く残っており、言語を超えた分かり易さから再現写真を持て囃す傾向にあります。また、日本国内ほどコスプレ関連イベントが頻繁には開催されていない為、コス写真に特化した写真専門レイヤーもまだ存在しています。
コスプレ写真専門レイヤー(コス写専レイヤー/CGレイヤー/非実在レイヤー)については、投稿記事「コスプレ写真投稿のみでのコス活動には気を付けましょう」をご一読ください。
リプロダクションには様々な高位の技術と制作時間が必要になります。
写真投稿頻度に影響をもたらす為、他撮影との併用を上手く行いましょう。
グラビア(ピンナップ)
一言でいえば、露出(肌色成分)の多いコス写真です。
主に、異性向けの閲覧者(女性レイヤーであれば男性閲覧者)にアピールする為の写真になります。
同性の趣味レイヤーの中では、グラビアへの批判はいまだ根強いですが、有名・人気レイヤーと呼ばれるコスプレイヤーの大半がコスグラビアを撮影し、これによって知名度を上げています。
モグラ女子に代表されるように、ファッションモデルがグラビアをこなすグラビアモデルの登場やグラビアアイドル/ジュニアアイドルによるお菓子系/コスプレを伴うグラビアも増え、競争激化が進むジャンルです。
グラビアは露出の多さだけを指しません。従来、セクシャルな想像を与える写真、つまり、セックスアピールという観点がコンセプトになりますから露出がなくてもジェンダーを活かした写真作品はグラビアになります。
また、情緒的なテーマを押し出した写真も広義なグラビアに含まれます。
コスプレタレントやレイヤータレントのような芸能活動をしている場合、グラビア撮影が必須となり、ポトレやファッションとは異なる明確なターゲット層を狙った作品集が制作されます。
一般に、コスROMと呼ばれる有償販売される写真集のほとんどはグラビア写真集です。
オフショット
ポトレやファッション、グラビア撮影の合間に撮られたスナップ写真をオフショットと言います。
レイヤー仲間による身内撮影や謝礼の遣り取りがない撮影の場合、別段オフショットは必要ありません。仮にオフショット写真があった場合、それは記念写真の一つとなります。
しかし、撮影に関して報酬(ギャラ)の遣り取りがあった場合、権利関係の問題から被写体となったレイヤー本人であっても、撮影された写真を公開することはできません。
写真の場合、原則、著作権は撮影者にあります。
特別な取り決めを撮影者と被写体との間で締結でもしていなければ、レイヤー本人が写っている写真であっても、法的にはレイヤー本人がこれを利用・使用・転載・公開することはできません。
あくまでも経済的な価値が発生する場合に限られますから、基本的には気にする必要はありません。
そんな時に役立つのがオフショットです。
オフショットの場合、被写体がその写真を公開しても良い取り決めがあり、撮影の雰囲気を伝えることのできるイメージショットです。
趣味範囲においては、合わせなどの集合写真において、加工・修正済みの公開用写真の共有が済む前、自分自身のオフショットを先行して公開するなどに利用できる便利な写真です。
イベント/ロケーション(ロケ)
イベントやライブ参加時、会場の雰囲気を伝えるのに最適なイメージショットがイベント撮影です。
場合によっては、風景写真に含まれます。
イベント撮影は撮影者のテーマに大きく左右され、ポトレにもスナップにもオフショットにもなります。
写真の主体はイベントそのものであり、被写体はイベントを彩るコンテンツの一部となりますから、人物写真としての品質は下がります。
スナップ撮影同様、レイヤー自身が撮影に気付いていない場合が多いので、あまり気にする必要はありませんが、ごく稀にイベント写真から人気に火が付くレイヤーさんもいます。
可能性は低いですが、“撮られる写真”ならではの良さがあります。
イベント同様、聖地巡礼や観光地、大自然、撮影許可の取れた建物など、スタジオならざる場所での撮影をロケーション撮影といいます。
厳密にはイベント撮影と異なり、第三者による撮影者がほぼ皆無です。
しかし、撮影の質的は似ており、ロケ地そのものが写真の主体の幾ばくかを占めています。
イベント/ロケ共に、主役が被写体以外にも存在する、と覚えておきましょう。
コスプレ写真の種別を理解し、使い分ける
勘の良いレイヤーさんは、本記事で取り上げたような知識や情報がなくても、ごく自然にこれを行っています。
知らなくても、天性の勘の良さで人気や知名度を得ています。
しかし、知っていれば、やがて勝てます。
コスプレというものは、その性質上、極めて不自然です。
不自然、すなわち、人工的な意匠や意図があって初めて成立するのがコスプレです。
ですから、ナチュラルに装うよりも、手を加え、情報を加味した方が映えるのです。
今回、コス写真の種類をあげたのは、その性質の違いを覚えておいて欲しいからです。
自分のコス写真を、どう撮りたいのか、どう見せたいのか、だれに見せたいのか、どう思われたいのか、どうしたいのかetc…
写真は記録するものであると共に、伝えるものでもあります。
データとして取っておくだけであれば余計なことは不要ですが、投稿し、公開した時点で情報伝達の一つになります。
ぜひ、これを意識してみてください。
なぜ、コスプレ写真の種類や区分を気にするの?
趣味でコスプレをしているコスプレイヤーの皆さんにとって、コスプレ写真の種別や違いを覚える意味はほとんどありません!
アルバムやデータベースに取っておく記念写真は大切な思い出ですから、レイヤー本人が楽しければ、なにも気にする必要はありません。
覚えておくと有利になるのは、コスプレ活動を通して多くの人達とコミュニケーションを取ってみたいレイヤーさんです。
レイヤーさんに限らず、人は他人から関心を持たれると悪い気はしません。
勿論、煩わしいと思う人もいるかもしれませんが、そうだとしたらコス写を公開する必要はなく、鍵付きのクローズド環境SNSで仲間達と楽しむか、グループ機能でメッセージするか、オンラインストレージで写真データの好感を楽しむだけで済みます。
例えば、Twitterに投稿したコス写真により多くのリツイートや“いいね”がもらえたら、気分がよくありませんか?
そうです、気分がいい、それくらいのニュアンスで十分です。
気分よく趣味であるコスプレを楽しみたいから第三者による評判を気にする。
そして、その評判が良ければ気分は上々ですから、その為に覚えておくと便利なのが、本記事にある写真の種類とその意味合いなのです。
第三者からの評判を気にかけてみると、コスプレのクオリティはどんどん上達します。
コスプレを今以上に楽しみたいレイヤーさんはぜひ、気に掛けてみてくださいね。
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